なぜ、日本のSDGsランキングは18位なのか?そこから見えてくる課題とは?
この前
で、SDGについて伝えましたが、今日はSDGsと日本の関係と課題についてです
どんな課題があるのかの大枠を伝えていきます
2人は、日本がSDGsの取り組みで、日本が世界で何位にいると思う?
日本は福祉も治安もいいし、水も綺麗だから、ベスト3ぐらいかニャ?
貧困も飢餓もほぼ無いし、教育もしっかりしてるし、ジェンダーなんて男女逆転してきてるぐらいだから。。もしかして1位?
なるほど。ただ正解は。。。18位です!
ニャ、ニャンだって?
なんでなん?
まあ165か国中の18位だから悪くはないんだけど、日本がSDGsの観点から見た時に、幾つか『解決すべき課題』があると言われているからなんだ
なので、今日はそれについて伝えていくよ
1・日本のSDGsランキングと、その理由
SDGsのランキングは、17個の目標の各項目が、どれだけ達成出来ているかの『スコア』の合計によって決まります
このスコアの合計と順位は毎年発表されていて、ここでは最新の2021年版で伝えていきます
A・日本のスコアとランキング
2021年度のSDGsにおける日本は、冒頭で伝えた通り
・『スコア』 79.85
・『ランク』 18位
と、いう結果になりました
じゃあ1位はどこかというと、フィンランドで
・『スコア』 85.90
・『ランク』 1位
と、なっています
1位がフィンランドというと驚く人も大勢いるかと思いますが
その理由の大きな一つとして
『公共福祉の充実度』が高い
と、いう事が挙げられます
フィンランドの消費税は何%かご存知でしょうか?
日本は10%ですが、フィンランドは22%です
ここだけ聞くとメチャメチャ高いと思われるかもしれませんが、実は『税金の社会への還元率』が、もの凄く高いんです
例えば、日本は『奨学金の返済』に苦しむ新社会人が多いですが、フィンランドは『教育費無料』です
さらには、学生時代に『勉学手当』や『住居手当』まであります
また、医療関係についていうと、日本は若者3割負担で、高齢者1-2割ですが、フィンランドは大掛かりな手術や出産は『全て税金でカバー』されるんです
そもそも、日本はどうでしょうか?消費税が8%から10%になり、何か生活に還元されたでしょうか?
むしろ、法人税の引き下げを辞めれば消費税なんてゼロでいいんじゃないか?
と、いう意見もあるぐらいです
この税金の社会への『適正な還元率』
これがフィンランドが世界一幸福な国とも言われている大きな理由です
また、緑地も国土の70%を占め、水もとても綺麗で、クリーンエネルギーの割合も多い国です
このフィンランドに対し、国際連合の『常任理事国(5か国)』のスコアとランキングは
・フランス 81.67 8位
・イギリス 79.97 13位
・アメリカ 76.01 31位
・ロシア連邦 73.75 46位
・中国 72.06 48位
と、なっていて、正直、見本を示せる立場にはありません
もちろん、今まで進んできた道と全然違う道なので当然と言えば当然です
SDGsの基準とこれまでの国力の基準は違うからです
営業の例えで言ってみたら、これまでの国力のランキングが
『とにかく売り上げ重視だ』『一番売り上げたヤツが偉い』
と、いう考えだったのに対し、SDGsの基準は言ってみたら
『コンプライアンスをどれだけ守って営業してるか?』
『お客様から、感謝のお言葉をどれだけ頂けたか』
と、いうモノです
地球規模で言えば、環境を破壊しながら国力を伸ばした国より、国力はそこまででなくても『環境に配慮しながら発展してきている国を評価しますよ』
と、いう事ですね
B・なぜ日本は18位?日本のSDGsにおける『課題』とは?
ここまでは、1位のフィンランドとの違いについてみてきました
ただ、そうは言っても日本は治安もよければ水や衛生環境も素晴らしいし、みんなが読み書き出来て、ネット環境も整備されてる
自然だって元々愛する国民性で、緑地も多い
文化も多様だし、今までよりもマイノリティに対する差別だって無くなってきてる
日本よりいい国なんてそうそうあるのか?
と、いう感想を持ったりしないですか?
自分もそうです。少なくとも、これだけいい国に生まれてこれたのは恵まれていると思います
けれど、SDGsでは今18位
一体、なぜ?どーしてなんだ?
と、いう事で、以下をみていきたいと思います
a・日本のSDGs達成度の全体像
まず、日本のSDGsにおける全体像を見てみましょう
下記の図は、SDGsにおける日本の『目標達成度』
それを色分けして図に現わしたモノです
『緑』の部分は、達成
『黄』の部分は、課題あり
『オレンジ』の部分は、主要な課題あり
『赤』の部分は、重要な課題あり
と、なっていて、矢印も同じです
『緑』の矢印は、達成に向けて順調
『黄』の矢印は、達成必要ペース50%以上
『オレンジ』の矢印は、達成ペース50%以下
『赤』の矢印は、スコアの減少
そして灰色の丸は、データなし
と、いう見方です
これで見ると、今の日本は、4番目の『教育レベル』と、9番目の『産業・技術基盤』
16番目の『平和と公正』が達成できていて
次いで、1番目の『貧困』と3番目の『健康・福祉』と6番目の『水とトイレ』
8番目の『働きがい』と『住み続けられる街』が、課題はあるものの、達成に向けて50%以上の進捗がある事が分かります
これを見て、どう思いますか?
うん。大体子の通りでしょ
と、思う人もいれば、普段、自分達が生活しながら感じている感覚とは、なんか違う部分もあるなーーー
と、思う人もいるかもしれません
個人的見解で言えば、未だ30年前とほぼ同じスタイルで教育してる日本の、どこが教育水準高いのか謎ですし、ITの部分で他の先進国の周回差と言われてるのに、なぜ産業・技術が達成なのか?
また逆に、日本の水とトイレ等の衛生環境は世界からも称賛されてるのに、なぜ黄色なのかとも、思います
この違いというか違和感はSDGsの定める『個々の達成水準』が大きく違っているからです
例えば、4番目の『教育レベル』ついては
世界では学校に通えない児童が大勢いるのに対して、日本は『高等教育の修了』した割合が基準値の52.2%を上回っているので達成
けれど、13番目の『気候対策』については
日本はそもそも、原発再稼働出来るかもわからず、二酸化炭素の排出量実質ゼロにする『カーボンニュートラル』は、日本の様々な国益の面から考えた時に、疑問も出ておかしくない問題ですが、まだゼロには全然出来てないので赤信号
とかにされてしまうからです
なので、こういった『SDGsの基準』に照らし合わせた時、日本は18位になってしまっているんです
ですので、次はSGDsにおいて、日本の問題点とされている部分と理由を伝えていきます
b・『貧困をなくそう』相対的貧困の存在
ここは黄色なのですが、実は、ほぼ達成指標の中に1つだけ赤色が含まれているので、この色になっています
それが『相対的貧困』の存在です
相対的貧困という言葉はまだ聞きなれない人もいると思いますが、アナタはどうですか?
これは、所得が全人口の可処分所得の中央値の半分を下回る人口の割合が、基準値に達していない
簡単に言うと『平均所得以下の人の割合』
これがまだ基準以上に存在しますよ。と、いう事です
これが今、16%前後ですが、ここを6.1%にするのが目標になっています
ここが今、日本ではどうなっているのか、今度詳しく伝えていきます
今は日本に相対的貧困があり、それが課題としてあるという事を押さえておいてください
c・『ジェンダー平等を実現しよう』女性議員の数と男女の賃金格差
ここは完全な赤になっています
ここをSDGsに『課題』に。しかも、赤色とされるのは、一見なんで?
と、思いませんか?
日本は昔から性に対しては大らかな国民性を持っていましたし、近代になり、貞操観念なるものが強化されましたが、LGBTQ+等に関しては、認知度も理解度も年々向上しているからです
ちなみに、LGBTQ+の認知度は2021年の電通の調査によると次の通りです
批判やアンチ層などは全体の約10%しかいません
また、例えば日本の世田谷区では『同性婚』が認められています
なので、ジェンダーにたいする平等性はかなり高いハズなんじゃ?
と、思っても当然だと思うんですけど、なぜこの項目が赤色なのかと言えば、答えはシンプル
『この項目に、この要件は目標として入っていない』からです
まあ言ってみたら、出来る部分がテストに出なかった
と、いうようなイメージです www
なんだって?じゃあ、ジェンダー平等って何を言ってるの?
と、思うかもしれませんが、日本でジェンダー平等実現の為の課題とされているのは、次の3つなんです
それは
『女性議員の数』と『男女の賃金格差』『家事の時間の男女格差』です
まず『女性議員の数』についてですが、SDGsではこの割合を50%にするのに対し、日本は約9-10%です
この割合は増えてきたのかと言えば、ここ10年、特に大きな変動はありません
なので、これでは重要な意思決定の場に女性がまだ全然進出出来ていなので、これをもっと増やして50%まで引きあげましょうという事です
また『男女の賃金格差』についてですが、まだ約24%の開きがあります
例えば同じ正社員でも、年収が、男性550万円に対し、女性384万円
と、いう風に開きがあります
これに対してのSDGsの目標は、当然、乖離0%です
最後は『家事の時間に費やす男女格差』についてですが、これはシンプルに『男ももっと家事やって』『育児しない夫はサイテー』とか、よく巷で耳にするモノです
これについては、男性側が女性側に
『感謝』と『気付いてすぐやる』の2つがベストだと思います
細かく分担するよりも、洗濯してくれてたら感謝してありがとうと言う
逆に、食器が溜まってたらさっさと洗う
休みの日、手が空いてたら子供と少しでいいから遊ぶ
週に1度は家事を代わってみる
とか、感謝しながら出来る事をしていくのが大事だと思います
もちろん、理想的には50%ずつがいいとは思いますが、基本的には男性の方が外で働く時間
これを敢えて『有償労働時間』と呼ぶと、この時間が日本は基本、メチャメチャ長いので物理的にも少し厳しいのが現状です
どれぐらいかというと、日本人の男性は『452分』
これは何かというと、OECD(経済協力開発機構)のまとめからですが、有償労働の平均時間は男性317分・女性218分
なので、日本の男性は世界の平均値の『1.4倍』の労働時間に縛られてるんです
まあ、効率化が出来ていない部分もあると思いますが。。。
d・『エネルギーをみんなに。そしてクリーンに』再生可能エネルギーの割合の低さ
『再生可能エネルギー』
これは昨今言われている、クリーンエネルギーの事です
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力発電・地熱・水力発電
バイオ燃料などがそれにあたります
この割合をSDGsでは目標51%にする事に対し、日本は6%ほどです
なぜ再生可能エネルギーを普及させないといけないかと言うと、今世界で大きな目標の一つとして定められている『脱炭素』
いわゆる『カーボンニュートラル』を目指す為に必要な事だからです
もちろん、これには様々な問題がありますので、今度詳しく伝えますが、日本はこの割合が低いと言われている事を、今は押さえておいてください
e・『人や国の不平等をなくそう』高齢者の貧困率の多さ
これは簡単に言うと、66歳以降の人で平均収入以下の人が多いです
と、いう話です
何年か前から言われ始めた『下流老人』という言葉を聞いた事ありますよね?
これは『生活保護費(月13万円)と同じぐらいの額で暮らす高齢者』の事です
今日本の高齢者は全国に約3600万人いて、その中で下流老人は推定700万人前後いると言われているので、約19-20%
つまり約2割の老人は下流老人になって苦しんでいるんです
しかも、この高齢者の方々がサラリーマン時代に平均いくらの収入だったかというと、年収約400万円です。つまり『月平均33万円』稼いでいた訳です
そして今の日本。『年収400万円以下の割合』がどれぐらいかというと、厚生労働省の調べによると『39%』です
なので、約4割のサラリーマンが年収400万円以下
と、いう事は、この先少なくとも『日本人の約4割は下流老人』になってしまう可能性があるという事です!
なので、もはや収入源を会社一つに頼る事は避けなければいけません
会社に滅私奉公なんてもっての他
会社一つに頼った結果がこれなんですから
と、いうのが、今日本が抱える問題の一つの下流老人の話でしたが、本来、SDGsの目標としては、この相対的貧困の割合を『3%にするのが目標』ですが、今現在約20%の数値になってしまっています
仕事も退職し、高齢者の再雇用が厳しい中、年金も下がれば当然の数値です
ここは本当に早期に解決すべき問題だと思います
f・『気候変動に具体的対策を』CO2(二酸化炭素)排出量の多さ
これはいわゆる『カーボンニュートラル』についてです
SDGsも日本も、2050年までには二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするという目標を掲げて動いています
ただこれは技術や利権の関係もあり、なかなか進んでいないのが現状です
ちなみに、今度詳しく伝えますが、日本がこれが進まない一番の原因は
『コスト高』と『国防』の観点からです
まず『コスト高』についてですが、仮に日本でクリーンエネルギーのみで運用しようとすると、原子力利用の幅にもよりますが『年間43~72兆円』かかると言われています
日本政府の一般会計が110兆円なので、約4-6割強の予算をこれに当てなければいけません
さらに、クリーンエネルギーは供給が不安定になる事があるので、その際は火力発電所を稼働させて二重高になる可能性もあるんです
当然、そのコスト高は我々国民に電気代の高騰として跳ね返ってきます
また『国防』からの観点についてですが、風力発電や太陽光発電において一番力があるのはどこかご存じでしょうか?
そうです
あの中国です
中国が日本の電力網に接続されれば、サイバー攻撃のリスクが高まります
そんなの勝手に決めるな?
いやいや。歴史を勉強しましょう www
もちろん、二酸化炭素による問題が本当に言われている通りの危機であれば、ここはカーボンニュートラルを目指すべきですし、資源はそもそも大切にした方がいいのは当然です
ただ、今伝えたような観点から、まだ厳しいのが現状です
g・『海の豊かさを守ろう』乱獲と海洋の汚染の度合いが高い
これについて日本がどうかというと、まず、水産資源の管理が外国に比べるとまだ整備されていない現状があります
もちろん、それだけが原因ではありませんが、今現に、日本の海での漁獲量は下がってしまっています
ちなみに、どれだけ下がってしまっているかご存知ですか?
なんと『全盛期の3分の1』です!
1980年代の水揚げ量が約1200万トンだったのに対し、2020年では約400万トンしかありません
この原因の一つとして言われているのが『無管理・乱獲』です
かつて日本では遠洋漁業が盛んでした
なぜかというと、一つの地域で魚が取れなくなれば、別の地域に行って魚を取る
と、いうスタイルだったからです
ただ、このやり方では魚が成長する前に漁獲してしまう事にもなり、さらにはEEZ(排他的経済水域)の設定により、そのやり方そのモノが通用しなくなりました
ただ、EEZについては他の国も一緒です
けれど、日本以外の国は漁獲量を伸ばしているんです
これはなぜか?
答えは『IQ』です
このIQは知能指数の事ではなく
『Individual Quota』という『漁獲枠の個別設定』の事です
これは個別の漁業者に漁獲枠を配分しておく
と、いう管理の仕方です
これにより乱獲を防ぎ、まさに『持続可能な水産資源の確保』に繋げるという方法です
これにより、外国は漁業量を上げてきているのです
日本でも2018年に法改正は行われましたが、違反者も出て操業停止になるなど、まだ根付くまでには時間がかかりそうです
また、海洋汚染も問題になっていて、それを計る『クリーンウォータースコア』はSDGsの目標が100に対して、日本はまだ約60しかいってません
それだけ日本の海は、化学物質やゴミなどによって汚染されているという事です
h・『陸の豊かさも守ろう』生物多様性の為の土地面積の減少
これは日本において、様々な生物が暮らしていける為の土地が、これだと足りないよ
と、いう事です
これはSDGsの基準が100の場合に、地上地区と淡水地域共に、約63-65%しかないという事実があります
実は、この辺りが本当に難しいところです
例えば、クリーンエネルギーを作ろうと思ったら、山を切り開いでソーラーパネルを多数設置しなければけない
すると、クリーンエネルギーの達成率は上がりますが、逆に、生物多様性は損なわれる可能性があります
なので、今後この問題をどう解決していくかが問われています
i・『パートナーシップで目標を達成しよう』無償提供が足りない
これはODAという政府開発援助の事を言ってます
政府が他国を支援するやり方は、大きく分けると2種類あって
『贈与』と『政府貸与』に分かれます
そして『贈与』は
『無償金協力』と『技術協力』の2つに分かれます
これは文字通り無償なので、相手国は日本に返済の義務はありません
逆に『政府貸与』は
『有償協力(円借款)』と呼ばれるもので、将来、途上国が返済する義務があります
ただし、基本的に金利は低く設定してあり、返済期間も長期に設定してあります
詳しくはこの『外務省のホームページ』に記載されてます
ただ、SDGsの基準が1とすると日本はこのODAが約0.25をずっと推移してきています
正確にいうと、無償の方はここ10年、特に割合が変わってませんが、有償の方は増えています
日本も大変な中、頑張ってるとは思うんですけどね。。。
なぜSDGsで日本が18位なのか?課題としてどんなモノがあるのか大枠は掴めたかな?
普段、あまり意識してない部分もあったけど、日々感じてる部分も多かったニャ
高齢者の所得が上がって、男女平等も進んでいくといいなぁ。。
そうだな。ODAはまた別にしても、基本は日本の今抱える問題を解決していければ、SDGsでの達成度もおのずと向上していくんだ
2・SDGにおける日本を『擬人化』すると?
最後に、ちょっとこんな事も考えてみましょう
日本の擬人化です www
今日見てきたSDGsの課題基準に照らし合わせると。。。
男性だとしたら
年収500万円の中堅サラリーマン
でも、正社員じゃなければ年収288万
高齢者になると所得が大幅に下がり、苦しい生活をする可能性が高い
女性だとしたら
年収384万円の中堅キャリアウーマン
でも、正社員じゃなければ年収153万円
高い志で議員になろうとしても、男性よりも数倍の倍率
重要な意思決定の場に参加させてもらいにくい男女差別の理不尽は、常日頃感じてる
そして、男性も女性も、学歴はある程度高く、インターネットも大好きでキレイ好きだけど、新しいエネルギーとかには疎い
今までのでよくない?
家計の管理はあんまり得意な方じゃないから、最近ちょっと食べすぎかも
困ってる人は助けるけど、ちょっとお礼も欲しいかな。。。
みたいな感じじゃないでしょうか?
やはり、国の形と人の形は似ているモノなのかもしれませんね
では、明日もニューグッドな一日を!